夜は夫の隣で眠り、夕食では娘の隣に座る。夫と娘が出かけたあとの昼間、母は娘の彼氏に抱かれていた。
綾香、42歳。夫の真司とは結婚二十年、仲は良く、娘の結衣は素直で明るい自慢の子。その結衣の彼氏・海斗を、夫は「研修の三週間、うちに泊まらせればいい」と自分から家に引き入れた。母親として預かるだけ――そう言い聞かせた初日の夜、綾香は寝室の壁越しに、娘と海斗の声を聞いてしまう。
翌朝、夫と娘を送り出すと、家には二人きり。脱衣所でタオル一枚の海斗を見てしまい、昼食では落とした箸を拾う海斗に、スカートの奥を見られる。内定祝いの残りのワインで頬を赤くした綾香の手に、海斗の手が重なる。「手だけ、よ」。指が回りきらないその太さを、手のひらで知ってしまう。
「結衣には言いません」。その言葉を残して、海斗は研修へ出る。夕食では娘をごまかし、夜は夫の誘いを断った。翌週、逃げるように出かけ続けた三日目、綾香は家にいた。客間に呼ばれ、キスだけは拒んだまま、初めて潮を吹き、ゴム越しに根元まで受け入れる。娘からの電話には、突かれながら「うん……七時、ね」と答えてしまう。その夜、夫には頭痛だと嘘をついた。
研修最終日の夜。「今夜で終わりにする」と決めて、綾香は深夜の客間へ下りていく。「中には絶対出さないって、約束して」――そう言ったのは自分なのに、最後に「なかに、出して」と言ったのも、自分だった。
夫は何も知らない。娘も何も知らない。知っているのは、綾香の体だけ。