霧の晴れぬマヨナカテレビの向こう側。
そこに立っていたのは、黄金の瞳をした、もう一人の俺だった。
「クククッ……ようやく出てきたな、もうひとりの俺」
「……言ってやろうか? いい子ちゃんのリーダーさマ。おまえの、本音をよォ!」
「……やめろ」
「絆が深まるほどに仲間の女のパンツとおっぱいが見てェってなァ!」
ここで否定すれば、こいつは暴走する。
「その通りだ。お前は、俺だ。何ひとつ、間違ってない」
「……ほオ? じゃあ、これはどうだ」
シャドウが、にやりと嗤った。
「お前、けしからんことに――仲間の’ペルソナ’の、パンツとおっぱいまで見てェんだろ?」
「……くっ」
――その瞬間、世界が嗤った。
天を衝く、巨大な嘘の化身。
’見たくなんかない’、’そんなこと考えてない’。
いい子ちゃんが口にする、無数の建前――
人の世に満ちる全ての嘘…幾千の呪言――
ああ、なるほど。これが、いちばん手強い相手か。
――冗談じゃない。
この一年で築いた絆。磨きぬいた俺自身。
幾千の呪言を吹き晴らし、真実を射止める究極の言霊
――幾万の真言
俺はメガネを外し、投げ捨てた。
「そうだ、俺は――見たい!
隣で笑った、あいつの。背中を預けた、あいつの。
そして――そいつが宿す、ペルソナの!
まだ見ぬ、パンツとおっぱいが、見たいんだ!」
光が、霧を裂いた。
千の嘘が、たった一つの本音の前に、ひび割れていく。
晴れ渡った空の下に、まごうことなき真実だけが、残される。
もう、迷いはない。
軽蔑はされるだろう。「最低」「絶交」、けっこう。
俺はもう、恐れない。
――掴みに行こう。仲間たちの、服の奥に隠された、まだ見ぬ真実を。
恥も外聞も捨てて、深く知ったあいつらに、こう告げるんだ。
「すまんが、パンツとおっぱいを――できれば、ペルソナのも、見せてくれないか?」
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