十年ぶりに地元へ戻った陸を、実家の玄関先で出迎えたのは、記憶よりずっと大人びた幼馴染・小春だった。「おかえり」「ただいま」――子供の頃と同じやり取りをしながらも、どこかぎこちない距離感を感じてしまう二人。
差し入れを持って毎日のように顔を出す小春、片付けを手伝ってくれる小春――昔と変わらない気安さの中に、時折見せる大人の色気にドキドキが止まらない。台風の夜、二人きりで過ごした停電の時間をきっかけに、互いへの想いは静かに、けれど確かに育っていく。
「もう都会に戻る身だから」――一歩引こうとする陸に、小春は寂しさを隠せない。共通の友人に背中を押され、ついに二人は本音をぶつけ合う。
「昔みたいに、また隣にいたい。ただの幼馴染としてじゃなく」
十年の空白を埋めるように、遠慮のいらない二人だけの夜が訪れる――。