天野絹枝 経営学部教授 55歳。凛としたテーラードジャケットに、シルクのシャツ、手入れの行き届いた指先でホワイトボードに数式を書き連ねる姿は、知性と上品さの象徴のように扱われる。学会での議論は鋭く、研究室での指導は厳格ながら慈愛に満ちている。社会が私に求める「成熟した女性」の理想像を、私は数十年来、演じ続けてきた。
社会が私に求める「知的で上品な女性教授」と、私の内部に潜む「飢えた雌」――その二面性の均衡が、ある夜、ほんの些細なきっかけで崩れ始めることなど、この時まだ夢にも思わなかった。
6526文字、イラスト64点の大人のピクチャーブックです。
秀麗姉妹シリーズは、60歳の茶道教授と55歳の大学教授と50歳の空手師範と華道教授の第1世代と、35歳の広告プランナーと30歳のスポーツ インストラクターと25歳の金融ウーマンとプロゴルファーの第2世代が、大人の女性の視点で描いた物語です。